1996年入社 | 近畿大学卒
実家が南部建設の本社近くで喫茶店を営んでいて、職人さんもよく利用していただきました。
建築学科出身のため、もともと建築の仕事に就きたいと考えていて、これも縁かと思いお世話になることにしました。
入社してすぐは、手元をやっていました。手元とは、各種の専門の職人さんの補助的作業・手伝いを行う、いわば半人前の作業員のことです。現場の掃除をしたり、指示された部材を手配したりしながら、建築の仕事を一つひとつ覚えました。上司や職人さんが明確な答えを示してくれることはありません。状況に応じて自分の頭で考える。わからないことは自分で調べる。失敗したら、なにが悪かったのかを分析し改善策を練る。そうすることで、真の経験が身についていきました。当時は、毎日朝早くから夜遅くまで、休日も返上して働いていましたが、給料をもらって建築の深い部分を学ぶことができた環境を、今になってとてもありがたく感じています。
仕事は段取り七分、とよく言われます。段取りが悪くて、使用する材料が揃っていないと、職人が作業できず手待ちの状態になってしまいます。事前の準備の大切さを表した言葉です。プロジェクトマネージャー、いわゆる現場監督の仕事は、入社直後から任されていました。しかし監督とは名ばかりで、経験豊富な職人さん達に助けられて現場を進めていたのが実際のところでした。自分で仕切っていると感じられるようになったのは、3年目くらいからでしょうか。私は今、翌日は当然のこととして、1週間先、1ヶ月以上先の工事の計画まで立てています。ひとつの現場に多くの職人さんがかかわり、天候の影響も受ける仕事だからこそ、プロジェクトマネージャーの段取り力が問われます。
たとえばビルの外壁の改修を行う際には、その施工方法だけではなく、役所への申請や足場の設置、近隣への騒音対策等、さまざまな手続きや配慮を行わなければなりません。たいへんなことは多いですが、思い通りに時間と人員をコントロールし、無事故でプロジェクトが完遂したときには、大きな達成感を覚えます。この経験を若い世代に引き継いでいくこと、それが私の今後の目標です。自分がそうであったように、明確な答えを示さないが、適格なアドバイスをするのが基本の指導スタンス。部下や後輩には、貪欲に知識を吸収して真の経験を積み、豊かな人脈を構築してくれることを期待しています。そしてまた、私自身も年齢を言い訳にせず、スキルアップし続けていこうと思っています。
コロナの影響で体がなまりがちなので、エアロバイクをしています。また、動画共有サイトを見ることも多く、エクセルやパワーポイントなどのスキルアップにつながる動画をよく見ます。最近は将棋の対局の動画にハマっています。